「明日の仕事、あの人と顔を合わせるのが憂鬱だな……」 「SNSの反応や、職場の顔色をうかがってばかりで疲れてしまった」
そんな風に、人間関係のしがらみに心をすり減らしていませんか?
かつて国家公務員として、法律とルールに縛られた厳格な現場で働いていた私も、日々プレッシャーと対人関係のストレスに押しつぶされそうになっていました。
そんな私を救い、28歳で大学職員へと「人生のステップアップ」を果たす原動力になったのが、2000年以上も前に生まれた2つの哲学でした。
となれば良かったのですが、転職した後にこの2つの哲学に出会いました。
この記事では、対人関係の悩みを劇的に軽くする「ストア派」と「エピクロス派」の教えを、現代の仕事術に落とし込んで解説します。
1. 古代から続く“心のレジリエンス”──ストア派とは
まずご紹介するのは、「ストア派」です。 彼らが理想としたのは、嵐の中でもびくともしない「岩」のような精神の強さ。これを「レジリエンス(心の回復力)」と呼びます。
外部を変えるのではなく、自分の「反応」を変える
ストア派にとって重要なのは、「外で何が起きるか」ではなく、「それをどう受け止めるか」です。
- 上司が不機嫌なのは、上司の問題。
- 同僚が非協力的なのは、同僚の問題。
「相手を変えよう」とすると苦しくなりますが、「自分の心の持ちよう」だけは100%自分でコントロールできます。この「強さ」を知るだけで、仕事の悩みは半分以下になります。
2. “隠れて生きよ”──エピクロス派とは
一方で、ストア派のような強さを常に保つのは大変ですよね。そこで寄り添ってくれるのが「エピクロス派」です。
彼らは「快楽」を大切にしましたが、それは贅沢をすることではありません。「苦痛を取り除き、心穏やかに生きること」を最優先にしました。
「戦略的な撤退」も一つの正解
エピクロス派の有名な格言に「隠れて生きよ」という言葉があります。
都会の喧騒や、ドロドロした出世争い、人間関係の派閥……。そんなものからは、そっと距離を置いていい。自分の好きな音楽を聴き、お気に入りのカフェで本を読み、信頼できる友人だけと過ごす。
「戦わずに、穏やかな場所へ逃げる」ことは、決して堕落ではありません。自分の心を守るための、立派な戦略なのです。
3. 両者は対比ではない。状況で「使い分ける」のが正解
「強くあるべきか(ストア派)」、それとも「穏やかに逃げるべきか(エピクロス派)」。 これらは正反対に見えますが、目指すゴールは同じ「心の平穏」です。
私は、大学職員に転職してからの生活で、この2つを以下のように使い分けています。
- 仕事中:ストア派モード (理不尽なことがあっても「これは私のコントロール外だ」と割り切る)
- プライベート:エピクロス派モード (嫌な飲み会は断り、カフェで音楽と読書に没頭して心を満たす)
この「バランス」こそが、現代を賢く生き抜くための最強の処世術になります。
4. 実践!ストア派の「コントロール思考」で悩みを消す方法
ここで、明日から使える具体的なワークを紹介します。
例えば、「職場で挨拶をしたのに、同僚に無視された」という場面を想像してみてください。
普通に考えると…… 「何か悪いことしたかな?」「嫌われてるのかな?」と、答えのない悩みが頭をめぐります。
ストア派の思考なら……
- コントロールできること: 自分が挨拶をすること。(これはやった!OK!)
- コントロールできないこと: 相手がどう反応するか、相手が不機嫌かどうか。
- 結論: 「できないこと」で悩むのはエネルギーの無駄。終了!
同僚が家でトラブルがあったのかもしれないし、ただ聞こえなかっただけかもしれません。
「他人の反応」という不確実なものに、あなたの貴重な人生の時間を捧げるのはもったいない。
どうしても考えてしまう時は、好きな音楽を聴いたり、読書に集中したりして、意識的に「自分の領土」に戻ってきましょう。
まとめ:哲学は「今を楽に生きる」ための実用書
人間関係に疲れたとき、哲学はあなたを守る「盾」にも、新しい場所へ踏み出す「杖」にもなります。
一気に強くなる必要はありません。まずは「これはコントロールできるかな?」と自分に問いかけることから始めてみませんか。
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