【公務員からの転職】「人生は短い」と気づいた瞬間。セネカ『生の短さについて』が教えてくれる決断の基準

この本に早く出会いたかった

「公務員という安定を捨ててまで、やりたいことなんてあるのか?」 そう自問自答していた頃の私に、一番に読ませてあげたかった本があります。

アラサーという節目で私立大学職員へ転職した私ですが、実は公務員時代、この本——セネカの『生の短さについて』——とはまだ出会っていませんでした。もしあの時、この言葉に早く触れていれば、新しい世界に飛び込むことも早かったかもしれません。

「いつか終わる定年」だけを指折り数えて、死んだように働いていたかもしれない可能性があると思うとぞっとします。

1. 人生を「短くしてしまっている」のは自分だった

岩波文庫、大西英文訳『生の短さについて』の冒頭には、心臓を射抜かれるような一節があります。

「われわれにはわずかな時間しかないのではなく、多くの時間を浪費するのである。人間の生は、全体を立派に活用すれば、十分に長く、偉大なことを完遂できるよう潤沢に与えられている。」 (第一章 三節)

公務員時代の私は、前例踏襲の作業や、決められたルールに基づいてロボットのように、自分の命(時間)を削って捧げていました。「仕事とはそういうものだ」と自分に言い聞かせていたのです。ただ上から言われた作業量の多い無駄が多い作業をひたすらにしていました。

しかしセネカは、「自分の金を他人に分け与えてやりたいと望む人間など、どこを探してもいない。ところが、自分の生となると、誰も彼もが、なんと多くの人に分け与えてやることだろう(第三章 一節)」と言い放ちます。お金を奪われれば怒るのに、人生の時間を他人に奪われることには、なぜこれほど無頓着なのか、と。

2. 公務員時代の私に足りなかった「視点」

もし当時、この本に出会っていたら、もっと早く気づけたはずです。 「安定」とは、組織が保証してくれるものではなく、「自分の納得感の中にしかない」ということに。

つまらない仕事、心が動かない仕事に時間を費やすのは、自分の人生という有限のストックを、価値のないものに投資し続けているようなものです。

セネカは何かに忙殺されている人の生は短いと言いました。

ここで言う「忙殺」とは、自分の意志に基づかない、受動的な忙しさに苦しめられることでしょう。公務員組織特有の、あの「何のためにやっているかわからない忙しさ」の中にいた私にとって、この言葉はあまりに重いものに感じます。

3. 「生の短さ」を意識して、一歩を踏み出す

私が転職という選択肢をとったのは、人生を「自分自身のため」に変えたかったからです。 転職はリスクを伴いますが、「納得のいかない場所に居続けることで、二度と戻らない時間を失うリスク」に比べれば、小さなものです。

もし、あなたが今のキャリアに違和感を抱きつつ、「でも安定が……」と足踏みしているのなら、まずは先人の知恵を借りて、自分の「時間の使い方」を再定義してみてはいかがでしょうか。


今回ご紹介した本

現代のビジネスマンや、キャリアに悩むすべての人にとっての必読書です。特に大西英文先生の訳は、言葉が鋭く、ダイレクトに心に響きます。

生の短さについて 他二篇 (岩波文庫 青607-1) [ セネカ ]価格:1078円
(2025/12/23 23:24時点)
感想(6件)

まずはこの一冊から、あなたの「人生の主導権」を取り戻すヒントを見つけてみてください。

哲学書を音で聞いてみるのも良いでしょう。





おわりに

公務員から大学職員へ。環境を変えてみて実感したのは、自分の時間を自分の成長のために使える喜びです。 このブログでは、こうした学びや、日々の奮闘の中で見つけた「癒し」についても発信していきます。

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